古典的ペニシリン
PCG (ペニシリン G)
- 梅毒 (静注)・肺炎球菌 (ペニシリン感受性: PSSP) の第一選択
- MSSA、淋菌は耐性菌出現により不可になってきている。
| グラム陽性 | グラム陰性 | |
|---|---|---|
| 球菌 | 〇 | |
| 桿菌 |
アミノペニシリン
大腸菌など、一部の腸内細菌に対して効くようになった。
ABPC (アンピシリン = ビクシリン)
- 経口薬は AMPC (アモキシシリン = サワシリン)。A 群溶結連鎖球菌による咽頭炎、中耳炎、副鼻腔炎、尿路感染などに使える。
- 腸球菌の第一選択。β ラクタマーゼを産生する GNR には無効。
| グラム陽性 | グラム陰性 | |
|---|---|---|
| 球菌 | ◎ 腸球菌 | モラキセラ |
| 桿菌 | リステリア | △ 大腸菌、インフル桿菌 (クレブシエラ不可) |
ABPC/SBT (アンピシリン・スルバクタム = スルバシリン)
- 経口薬はアモキシシリン・クラブラン酸 = オーグメンチン。小児には配合比の異なるクラバモックスがある。中耳炎等で重宝する。
- β ラクタマーゼ阻害剤 (スルバクタム) を加えて嫌気性菌、MSSAに対応。
| グラム陽性 | グラム陰性 | |
|---|---|---|
| 球菌 | ◎ | |
| 桿菌 | ◎ 嫌気性菌 |
抗緑膿菌ペニシリン
PIPC (ピペラシリン = ペントシリン)
- 単剤で使われることはほとんどない。
| グラム陽性 | グラム陰性 | |
|---|---|---|
| 球菌 | ◎ | |
| 桿菌 | △ 緑膿菌 |
PIPC/TAZ (ピペラシリン・タゾバクタム = ゾシン)
- β ラクタマーゼ阻害剤 (タゾバクタム) を加えて嫌気性菌、MSSAに対応。
| グラム陽性 | グラム陰性 | |
|---|---|---|
| 球菌 | ◎ | |
| 桿菌 | ◎ 嫌気性菌、緑膿菌 |
参考文献
- 絶対わかる抗菌薬はじめの一歩, 矢野晴美, 羊土社, 2010