- 基本的に 嫌気性菌 には効かない (CMZ のみ例外)。腸球菌にも効かない。
- 世代が上がるにつれて GNR のカバーが広がり、GPC のカバーが下がる。第 4 世代は 第 1 世代 + 第 3 世代。
第一世代セフェム
CEZ (セファゾリン = セファメジン)
- MSSA の第一選択。レンサ球菌もいける。髄液移行性はないので、MSSA 髄膜炎には使用できないので注意が必要。
- 蜂窩織炎、感受性のある E.coli による腎盂腎炎、術前投与など (嫌気性菌をカバーする必要がない場合など)
- 経口薬はセファレキシン = ケフレックス
| グラム陽性 | グラム陰性 | |
|---|---|---|
| 球菌 | ◎ | |
| 桿菌 | △ E.coli くらい |
第二世代セフェム
- セフォチアム = パンスポリン：嫌気性菌のカバーなし (これいつ使うんだ？)
- セフメタゾール = セフメタゾン、フロモキセフ = フルマリンは嫌気性菌のカバーあり。セフェムでは例外！
CMZ (セフメタゾール)
セフェム系としては例外的に嫌気性菌に効く。ESBL 産生菌にも時々効く。消化管移行性ヨシ。
| グラム陽性 | グラム陰性 | |
|---|---|---|
| 球菌 | 〇 | |
| 桿菌 | 〇 嫌気性菌 |
第三世代セフェム
- セフトリアキソン・セフォタキシム：緑膿菌のカバーなし
- セフタジジム：緑膿菌のカバーあるが、そういう時は第 4 世代セフェムを使うのでイマイチ出番がない
CTRX (セフトリアキソン = ロセフィン)
- セフォタキシムと同一スペクトラムだが、セフォタキシムが腎代謝であるのに対し CTRX は肝代謝なので腎機能を気にしなくてよい。
- 普通のセフェムは半減期が 1 時間だが、CTRX は 6 時間なので 1 日 1 回で済むのも利点。
- 市中肺炎の第一選択。髄液移行性良いので細菌性髄膜炎にも使える。尿路感染症もこれでよい。
| グラム陽性 | グラム陰性 | |
|---|---|---|
| 球菌 | △ | |
| 桿菌 | ◎ |
第四世代セフェム
CFPM (セフェピム = マキシピーム)
- 医療関連感染を想定するときに使える。FN のときなど。髄液移行性あり。
| グラム陽性 | グラム陰性 | |
|---|---|---|
| 球菌 | ◎ | |
| 桿菌 | ◎ 緑膿菌 |
参考文献
- 絶対わかる抗菌薬はじめの一歩, 矢野晴美, 羊土社, 2010